資産形成がそこで終わってしまう?
限られた資金で勝負するしかない投資新規参入者の場合、資金の回転こそが資産形成において命となる。このため、高値で株式を取得してしまった場合、致命傷になることがある。特に本業での給与が少額なサラリーマンの場合、投資資金で貯めた数百万円や数千万円を塩漬けしてしまうと、その時点で資産形成が一旦強制停止されてしまう。このため、投資の初期段階において特に高値で取得してしまわないように相当の注意を払う必要がある。何をもって高値と判断するのかについては、千差万別で決定的な基準などは残念ながら存在しない。
私の高値基準の判断としては、まず日経平均PERや対象企業の過去5年における平均PER及び業種別平均PERをみる。これらの数値と現在のPERがあまりにも乖離している場合、基本的に投資はしないことにしている。これはあまりにも単純すぎる基準と思われるかもしれないが、個人投資家の場合、資金には限度があるため基本塩漬けになった時点でその資金は実質的に死んでしまう。このため、過度にPERが高い時点でもうその銘柄からは即足を洗ってしまった方が無難である。投資で継続的に確実に資産を日々増加させていくことが大事であり、塩漬けで止まってしまうことは致命傷なのである。このため、グロース市場に多く存在する高PERの銘柄には、投資しないことをお勧めする。もちちん、これらの銘柄の中には、将来のアマゾン、日本では超高PERであったヤフーのような例もあるかもしれない。結果的にみて、超機会損失になるかもしれない。しかしそれはあくまで結果論にすぎない。これらに投資してテンバガー又はそれ以上をものにしても、単に運が良かっただけであり、再現性はないのである。
現実的にあたながやっと貯めた1,000万円の全て、自分なりに限界まで調べきったあるグロース新興企業にフルベットなどできるだろうか?1000人に1人くらいは実際に実行する強者もいるだろうがこれは、どうみてもギャンブルである。なぜならファンダメンタルズ分析をどんなに実施しても上がるとは限らないのである。株価が上がるのは、当然だかその銘柄に大量の買いがいつか入るからであって、将来本当に買いが大量に入るか予想することは不可能だからである。実際にプライム市場でも、財務も健全でビジネスもニッチで優良企業にも関わらず、それなりの上昇しかせず、ずるずるとずっと横ばい程度などの銘柄がほとんどなのである。残念ながら、それは本人の一方的な思いこみの範疇を出ない。
このため、十分に株価が下がってきたところで、この水準で買えば少なくとも1%程度の上昇は望める!と確信できた時点で購入するべきである。そして1%の利益が達成できたらば即利確を行い、決して欲張らないことが極めて重要である。