個人投資家には役立たない?
バフェットのバリュー投資は、正に投資の王道中の王道であり、私自身最も感銘を受けた投資方法である。私は公認会計士として今も働いているわけだか、なぜ公認会計士になったのかと問われればバフェットに憧れというのが理由である。バフェットに関して出版されている書籍に関してはおそらくすべてに目を通している。もっともバフェット率いるバークシャーの議決権ありの株式は2024年8月末時点で1株702.320米ドル(日本円で1ドル147円の場合、なんど1株1億3百万円ほど)ほど達しており、以前は保有していたのが愚かなことに数年前に売却してしまった。
バフェットの投資方法の場合、割合株に投資を行うわけだが、この投資方法の場合の絶対条件として、投資額が極めて多額に存在することである。ちなみにバフェット率いるバークシャーの商社株の初期段階の投資状況は、ブルームバーグのデータによると、三菱商8.3%、三井物産8.2%、丸紅8.4%、住友商8.3%、伊藤忠商事7.5%程度であり金額にしてブルームバーグの試算によると、約1兆3000億円程度とされる。
これほどまでの金額になれば2倍どころが数%の値上がりであっても莫大な収益をえることができある(実際には数倍になっている)。こうした圧倒的な資金を有する投資家の場合は、数か月(又は数年)まったく投資をせず、徹底的なリサーチ及び経済危機などの超割安時期のここぞという時にすべての力を振り絞り全力でバットを振ることで最大のリターンをたたき出すことができる。
ウォーレンバフェットというのは、あまりにも別格すぎる投資家でありしかもバークシャーという世界最高峰の時価総額を誇る世界的な大企業法人として投資をしている。このため、資金額が少額な個人投資家が、割安株調査などファンダメンタルズ分析を徹底的に実施し投資を行っても残念ながらほとんど資産形成には役立たないという現実を知っておく必要がある。
個人投資家の場合、バフェットは、投資の心構えなどを学ぶことに限定してお手本とすべきである。